ゆっくり人生

不登校や引きこもりを経験しながら、現在は研究者の登竜門的存在である日本学術振興会 特別研究員(DC1)を務める大学院生のブログ

【フォトハラ】「本人の意思に反して写真を撮る」というのは立派なハラスメントになる

 

どうも、ユモクです。

 

突然ですが、僕は被写体になること、つまり写真に撮られることが嫌いです。

 

自分の姿を自分で見るのがまず嫌い(鏡も好きではない)し、信用できない人に自分の写真を持っていられるのも嫌だし(集合写真をSNSにあげる人いるけど全員から許可取ってるの?)、カメラに撮られると魂抜かれそうだしマジ無理。

 

僕は写真に撮られないことを徹底していて、学部4年の卒業アルバム制作の際、「自分の写真は絶対に使わないように」と制作を担う組織に掛け合ったほどです。実際のアルバムは確認してないけど。

僕みたいな写真嫌いの立場からすると、「このご時世に無断で他人の写真を撮ってそれをアルバムにして売るってどういうことやねん」と言いたいところ。

面倒ですが、一人一人に掲載許可を取る必要があると思います。

少なくとも「写真に撮られない自由はある」ということは明示すべきでしょう。

 

ただし、仲のいい友人や信頼できる先輩・後輩とは写真を撮ります。

「この人なら写真を悪用しないだろう」と認められる人となら、僕も思い出を残したいです。

 友人と旅行に行った場合は一緒に集合写真を撮っています。「SNS等に載せない」という約束のもと。

これくらい仲の良い友人に無断で写真利用されたとしたら、「自分の人を見る目がなかった」と諦めようと思っています。が、今のところその被害はありません。

 

しかし、学部時代に大学教員(当時)に僕の意思に反して写真を撮られ、それがハラスメント認定までなりかけたことがあります。

「なりかけた」ということで実際にハラスメント認定にまでは行きませんでした。

しかし、それは早期解決を求めた僕がハラスメントとして訴えなかっただけで相談した大学の窓口の方々には「これはハラスメントとして立件可能だよ」と言われた案件です。

これは写真に写ること云々だけでなく、「どのような案件ならハラスメントとして立件できるのか」ということにも及ぶ話ですので、ハラスメントに関心のある方もどうぞ。

 

 

 

授業の課外活動にて

それは学部3年生のときのある授業でのことでした。

その授業は座学やディスカッションだけでなく、大学外での施設での課外活動も含まれるものでした。

施設訪問の前から写真撮影することは伝えられていたので、僕は授業担当教員に「僕は写真が嫌いなので撮らないようにしてください」と、教員に対しても他の受講者に対しても明確に意思表示していました

 

しかし当日、その施設に行くと授業担当教員は、「顔は隠して良いから」と無理矢理受講者の集合写真に写るように僕に指示してきました

僕としてはそれも嫌だった(一人顔を隠しているのは不自然なため)のですが、その教員がしつこく、写らなければその場が収まらない雰囲気に。

その日は雨が降っていたので、僕は仕方なく傘をさして顔を隠し、写真に写ることでその場を収めました。

釈然としない気持ちを抱えたまま、その日の課外活動へと移りました。

 

 

無断で写真を撮られていたことが発覚する

翌日、授業担当教員によって写真共有サービスを利用して課外活動の様子を収めた写真が受講者内で共有されました。

(ちなみにパスワードなしだったのでURLがわかれば受講者以外でもアクセスできる状態でした)

その写真を確認すると、件の集合写真だけでなく課外活動中の写真に、僕の顔が映り込んだ写真が多く撮られていました

その教員が杜撰な性格だということはここまでの授業を通して理解していましたが、まさかここまでとは思っておらず、戸惑いと怒りが込み上げてきたことを今でもはっきりと覚えています。

当然、僕は次の授業で教員に、①以降の授業では僕の写真を撮らないこと、②写真共有サービスから僕の写っている写真を削除することの2点を求めて、強く抗議しました。

そのときの教員の対応は「わかりました」と口では言いつつ、「なんでそんなに怒るんだ?」みたいな態度が見え隠れするものでした。

 

 

学生相談窓口の利用を決意 

その後の授業では僕の要求した①は受け入れてもらいつつ、②には対応してもらえない、つまり写真を撮られることはなくなったものの、写真共有サービス上から写真は消されないままでした

再び抗議しようとも思いましたが、その授業の成績や今後の教員との関係のためにひとまず我慢することに。その授業はそのまま終わりました。

しかし、その教員にはこの件以外にも不満があり(先程言ったように杜撰な性格で、それが授業内容に悪影響を与えていた)、その授業は特殊な位置付けのため学外向けに報告書を作成する必要があったため、写真は受講者以外にも広く公開される可能性がありました

そして釈然としない気持ちはいつまでも収まらなかったため、その授業から5ヶ月後ほど経過した段階で、「写真の削除」を求めるために学生相談窓口の利用を決意しました

 

 

学生相談窓口とのやりとり 

電話で学生相談窓口の予約を取り、その日までに相談内容をまとめることに。

「今回の問題を説明するためには証拠を示す必要があるな」と思い、証拠となるデータをまとめました。

具体的には、「公開していた写真共有サービスのURL」、そしてもしそれが無効になっていたときのために、そこで写真が公開されていたことを示す「キャプチャデータ」を用意しました。

特にキャプチャデータは証拠隠滅対策にもなるので重視すべきだと思います。

 

そして相談当日。大学施設の一室に行くと、若い相談員の方が1名いらっしゃいました。

初対面だったので軽い自己紹介を済ませた後、これまでの経緯を説明していきます。

具体的には、「写真を撮るな」と求めていたのに撮られたこと・写真を受講者間で共有されていること・抗議以降は写真は撮られなくなったものの写真の削除はされていないことなどですね。

 

一通り僕からの説明が終わって相談員から一言。

「まだこんなことする教員がいるのか…」と心底呆れモード。

よくよく話を聞くと、写真利用に関してはこれまでに何件も相談があり、それまでの数年は大学から注意喚起が何度も行われてきていたとのこと。

つまりこの段階で、「大学はきちんと指導してきていたため、問題は授業担当教員個人にある」ということになります。

この件に関しては、どのような方向で解決するのが望ましいか一人の相談員の判断では行えないということで、相談窓口の全体会議にかけられることになり、最初の面談は1時間程度で終わりました。

 

その数日後、相談窓口から「会議が終わり、解決の方向がほぼ決まったけどいくつか確認をしたいからもう一度ご来室いただけませんか?」と電話が来たので、日程を調整。

再び窓口へ行くと、1回目の面談で対応してくださった若い相談員の方だけでなく、ベテランの相談員が追加された2人体制になっていました。

その面談は2人の相談員からいくつか追加で状況確認をされました。

基本的には最初の相談員から話がいっているため時間はそれほどかからなかったと記憶しています。20分程度ですかね。

諸々の事実確認が終わり、ベテランの相談員の方から今回の件の解決案が示されました。

「これ、ハラスメント窓口につなぐ案件だけど、どうします?」

この言葉は僕にとって意外なものでした。

窓口に相談しておいてなんですが、僕個人としては「写真を撮られたくらいでハラスメントまでにはならないだろう」と思っていたからです。後で調べたら「フォトハラスメント」という言い方もあるのね…

そして迷いもありました。

一応、事前にハラスメント窓口の流れを調べていた僕は、その手続きの猥雑さを知っていたためです。

書類を出して面談を繰り返して委員会にかかって問題のあった教員からも事情聴取して…など、時間と労力がめちゃくちゃかかりそう。

しばらく考えた末に、「早期解決の手段はありませんか?」と尋ねました。

「問題を有耶無耶にはしたくないけど、ハラスメント窓口は面倒」という考えからです。

相談員2名と解決案を相談した結果、「学部長預かり案件とする」ことが落とし所となりました。

 

 

学部長との面談

そこからは早いもので、相談窓口での面談の2日後に、学部長との面談となりました。

面談当日、登校途中に学部長と自転車ではニアミスして気まずい思いをしつつ、初めて学部長の部屋へ。大学の部屋とは思えないほど豪勢。

そこにいたのは、学部長だけでなく事務長も。逆に言うとそのお二方と自分のみ。

当時、一学部生に過ぎなかった自分が学部のお偉いさん2名に囲まれるという非常に緊張が強いられる状況!

ここでもいくつか事実確認をされました。学部長・事務長の対応は非常に良く、特に事務長が真剣な表情で僕の話に耳を傾けてくださっていたことを鮮明に覚えております。

話の内容も、事実確認と僕の要望(どのように解決することを望んでいるか、授業担当教員に伝えることはあるかなど)を聴取されたといった感じでした。

僕からは「教員や他の受講者から僕の写真が流出するような事態だけ避けて貰えばいいです」と伝え、面談は終わりました。

 

面談後、その日のうちに学部長から件の授業担当教員へと連絡が入ったようでした。

授業担当教員からは、①受講者全員に対して、僕の写った写真が手元にあったら削除し他には使用しないこと、②僕に対する謝罪のメールが来ました。

これで問題は一件落着ですが、そのメールを見た瞬間の僕は、「なぜこんな簡単なことが相談員や学部長など多くの人の手を煩わせないとできないのか」と、授業担当教員への強い怒りが込み上げました

その後、学部長から「これで対応は大丈夫でしょうか?」という確認のメールが来たので、それには丁寧にお礼のメールを返信しました。

しかし、怒りを自制できる自信がなかったこともあり、授業担当教員には返信をせず終えました。

 

その後、その授業担当教員とは会っていません。

個人情報なので詳しくは伏せますが、その教員は元々翌年度から大学ではない機関に転職する予定だったらしく、大学を去りました。

僕の怒りは未だ収まりませんし、二度と学生と関わってほしくないと言う強い思いもあるので、大学には戻ってきてほしくありません。

 

 

「ハラスメントとして立件されるのは氷山の一角」

その後、別件で学生相談窓口の相談員とお話ししたときに聞いたのですが、この件のように①被害者自身が訴え、②明確な証拠があるケースですと、ハラスメントとして立件できる、ということでした。

逆に言うと、被害者がさまざまな理由で泣き寝入りしてしまうケースや、証拠が十分に示せないケースですと、実際にはハラスメント行為が存在しても立件されない/できないということです。

何かしらの組織に所属していれば想像つくと思いますが、立件されない/できないハラスメントの方が圧倒的でしょう

実際、僕も授業の成績やその後の教員との関係を考えて一度問題化することを思いとどまっていますし、問題化しようと動いたら相当疲れました。

面倒がって穏便な収め方をしているのが、ある意味その現れとも言えます。

このように、ハラスメントとして問題化するためには被害者が勇気を持ってさまざまな行動を起こさなければならない、ある意味被害者損の仕組みになっています。

仕方ないけど、それで良いのか?

周囲の人がうまく問題化してあげられるようになる仕組みがあるだけでも変わると思います。

 

 

近年、巷には「〇〇ハラ」という言葉が溢れて「ハラスメントのライン低すぎ!」と思うこともあります(「スメハラ」とかタバコ臭などはともかく、体臭が原因ならハラスメントとは言えなくない?)が、誰かの心が踏みにじられるようなことはなくしていきたいですね。

 

おしまい

 

 

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